世界には様々な宗教があるが、今回はゾロアスター教という宗教を紹介する。
ゾロアスター教を語る上でキーワードとなるのが、「火の神聖視」「二元論」であると考える。
「火の神聖視」
まずは火の神聖視について述べる。ゾロアスター教は火を拝む。これは他の宗教にも影響を与えており、例えば仏教の釈迦の後ろには火のようなものが見えるものがある。これはゾロアスター教が影響していると考えられている。中央アジアでは仏教とゾロアスター教が共存していた。そのため、両者間での改宗もあった。火を拝んでいたゾロアスター教徒が仏教に改宗した際に、火を持ち込み、火炎仏が生まれたとされる。
「二元論」
次に、述べたいのが三本の柱である。三本の柱とは二元論、終末論、救済論のことである。人は善と悪に始まり、そして終わる。最後に条件を満たせば救われるという考え方で人は創作物を産みだす。例えば、昔話の『花咲じじい』や、現代であれば『仮面ライダー』や『アンパンマン』も大元はこの二つの対立から始まり、悪い事をしていたら悪い結果になる、という寓話めいたものを感じる。また、クリスマスソングの『サンタが町にやって来る』もそれに当てはまるだろう。二元論が現存する世界中の創作物に影響を与えていると言っても過言ではない。
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他宗教との違い
特に興味深いのは二元論の、悪の存在も認知する点だ。確かに、万能の神がいたとして、なぜ無慈悲に殺され、不公平に扱われる者を救わないのか。キリスト教徒はそれを与えられた試練だと言うが、死んでしまっては試練も何もない。神の救いばかりを求めるのではなく、悪もいると認めた上でそれを倒すべき目標にすることで神の存在を確立したのだ。
このようにゾロアスター教はキリスト教のように誰かを改宗させる活動は行わないのにも関わらず、その誠実さ、筋の通った理屈により中央アジアや中国、朝鮮、そして日本においても勢力を広げ、様々な宗教に影響を与えた可能性が高いとされている。
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